「たまごのはなし」
しおたに まみこ(著), ブロンズ新社 (2021/2/19)
静かなキッチンで目を覚ました、たまご。
ずっと長いこと寝ていたような気がするが
本当のところはよくわからない。
とにかく、起きてみた。
起きてみたら、考え始めたし行動し始めた。
でも、マシュマロに教えられるまで
「話すこと」はしていなかった。
話さないとほとんどのことは伝わらないと知って
たまごは読者に話し始める。
「ぼくは むくどりのヘンリー」
アレクシス・ディーコン (著), ヴィヴィアン・シュワルツ (イラスト), 青山南 (翻訳)
ぷねうま舎 (2020/6/25)
周り(むくどりの群れ)が騒がしすぎて
今まで自分の考えが聞こえなかったヘンリー。
あるとき「自分が考えている」ということに気づき
ぼくってすごいのかも?!と自惚れたのもつかの間、
怪物に飲み込まれてしまい
自信を失いかけてしまう。
静寂の中で自我が目覚めるたまごと
喧騒の中で自我が目覚めるむくどり。
自分はなんなんだろう、
ほんとうはどうなんだろう……
思考が行ったり来たりしながら
どちらも、ひとりで完結していないところがいい。
たまごは異質な他者との関わりで
ヘンリーは同類の他者との関わりで。
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