「紙ひこうき、きみへ」
木内 達朗 (イラスト), 野中 柊 (著), 偕成社 (2020/3/25)
シマリスのキリリのもとに、ミケリスのミークから紙ひこうきの手紙が届く。
初めて会ったふたりは、昔からの友だちのように仲よく過ごすが
ある日ミークは旅に出てしまう。
「とおいまちのこと」
植田真 (著), nakaban (イラスト), 佼成出版社 (2019/6/7)
ある雨の日、青い小鳥が手紙を運んでくる。
ぼくは、港が描かれた紅茶を飲みながら
遠い港町にいる友だちを想う。
「みなとまちから」nakaban (著), 植田真 (イラスト)という作品と2冊セットでつながっている。
どちらも「手紙」を媒介とした物語。
前者は、“空を切り取った”紙ひこうきの描写が美しい。
後者は、雨のなか海の空気を運んでくる手紙が旅情を誘う。
どちらも、友だちを思う「ひとりの時間」が印象的。
会えないからこそ相手を思い、自分のことを考える。
前者は、一歩を踏み出すキリリの成長譚ともいえる。
後者は、時間が止まったような静かな詩的世界。
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