
「このままじゃ学校にいけません」
ベン ブラッシェアーズ (著), エリザベス バーグランド (イラスト), 福本 友美子 (翻訳)
犀の工房 (2019/9/21)
できないことやわからないことばかりのエディは
別のものになりきることでやり過ごす日々。
エディの顔は、モノクロで表情なく描かれる。

「ナイアル」
藤井カゼッタ (著), シズカ (イラスト)
フレーベル館 (2021/4/23)
ライネも、できないこと、もっていないものばかりの自分が悲しい。
別のものになりきってやり過ごすのではなく、
灰色で描かれる世界から退避する。

できないことや、ないものを数えると
「ない」はゼロなのに、マイナスに捉えてしまう。
同質性や平均が求められる環境においては
より顕著で息苦しい。
エディは、
別のものになるのもいいけれど
そうしなくてもいいとママから言われたことで一歩を踏み出し
描写が色づき表情を回復する。
ライネは、
ものの見方を変えることと、
ナイ/アルのゼロイチではない概念を獲得し
カラフルな世界に飛び込んでいく。
たくさんのエディとライネが
なんとか、少しでも彩りのある世界を生き延びてほしい。
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