
「お月さんのシャーベット」
ペク・ヒナ (著), 長谷川義史 (翻訳), ブロンズ新社 (2021/6/3)
暑くて寝苦しい夏の夜。
あまりの暑さにお月さまが溶けてきてしまう。
おばあちゃんは溶けた月の雫でシャーベットを作り
みんなに1つずつ配る。

「おひさまパン」
エリサ クレヴェン (著, イラスト), 江國 香織 (翻訳), 金の星社 (2003/7/1)
雪まじりの嵐が続く長い冬。
パン屋さんは太陽が恋しくて、おひさま型のパンを焼く。
いい香りにつられて集まってきたみんなは
おひさまパンを食べる。

暑い夏にひんやりシャーベット。
寒い冬にあたたかなパン。
どちらも、その温度感の対比が絵柄からも伝わってくる。
どちらも、月や太陽という遠く離れた天体を
身近な食べ物に落とし込む発想が、心をくすぐる。
暑いときのひんやりも、
寒いときのほかほかも、
みんなでシェアするからこその幸せ。
前者はこのあと、お月さまに棲む子たちがやってきて
溶けてしまった月が生まれ変わるシーンが幻想的。
後者は、目を覚ましたお日さまがすべてを暖かく包み込む。
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