
「あめかっぱ」
むらかみさおり (著), 偕成社 (2020/6/5)
雨の日に留守番をしていたなおちゃんの家に
カッパがやってきてピクニックに行くことになる。
しっとりと濡れた森のなかで、雨の日ならではの体験をする。

「雨、あめ」
ピーター・スピアー (著), 評論社 (1984/6/1)
姉弟が庭で遊んでいると雨が降り出す。
2人はレインコートを着て大きな傘をさし
庭から出て雨の街を冒険する。

どちらも「雨だから、出かける」。
レインコート・長靴・傘など普段とは違う装備を身につけ
子どもは非日常感にワクワクする。
どちらの作品も、傘やレインハットを通して
耳元に響く雨粒の音が聞こえてきそうな
細やかな雨の表現がページ全体に描かれる。
前者は、カッパという先導者によるファンタジックな体験が広がる。
後者は、姉弟自身で目の前に広がる様々な雨の現象からイメージを広げる。
どちらも、夜の暖かな家の日常が、日中の冒険と対比され
読者を安心感で包む。
雨の日の美しさに気づかされる。
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